給湯器のエラーコード解説：トラブルシューティングと対処法

給湯器は私たちの日常生活に欠かせない重要な家電製品です。しかし、時として予期せぬエラーに遭遇することがあります。本記事では、給湯器のエラーコードについて詳しく解説し、トラブルシューティングと対処法をご紹介します。

1. はじめに

給湯器のエラーコードは、機器の不具合や異常を素早く特定し、適切な対応を取るための重要な情報源です。エラーコードを正しく理解することで、小さな問題が大きなトラブルに発展するのを防ぎ、給湯器の寿命を延ばすことができます。

エラーコードは通常、給湯器のリモコンや液晶画面に表示されます。これらのコードは、発生している問題の種類や深刻度を示しており、ユーザーや専門業者が迅速に対応するための指針となります。

2. 給湯器エラーコードの基本

多くの現代的な給湯器では、エラーコードは3桁の数字で表示されます。各桁には特定の意味があり、問題の性質を詳細に示しています。

一般的なエラーコードの構成：

• 1桁目：問題の大分類（例：センサー異常、機械的故障など）

• 2桁目：問題の詳細な分類や部位

• 3桁目：問題が発生している具体的な箇所（給湯、追い炊き、暖房など）

例えば、「111」というエラーコードが表示された場合、以下のように解釈できます：

• 1桁目の「1」：センサーが異常を検出

• 2桁目の「1」：点火に関する問題

• 3桁目の「1」：給湯系統での異常

3. 主な給湯器エラーコードと対処法

3.1 給排気異常関連のエラー

給排気異常は、給湯器の安全性に直結する重要な問題です。主なエラーコードとその対処法は以下の通りです：

• エラーコード「110」または「111」（点火不良）

  ■原因：ガスの供給不足、点火装置の故障
  ■対処法：ガス栓が完全に開いているか確認し、リモコンをリセットしてください。問題が解決しない場合は専門業者に連絡してください。 
   

• エラーコード「610」（燃焼ファン異常）

  ■原因：排気ファンの故障、排気口の詰まり
  ■対処法：排気口周辺に障害物がないか確認し、専門業者に点検を依頼してください。

3.2 点火・燃焼関連のエラー

点火や燃焼に関する問題は、給湯器の基本的な機能に影響を与えます。

• エラーコード「12」（ふろ燃焼許容時間超過）

  ■原因：ガスの供給不足、燃焼部の不具合
  ■対処法：ガスの開栓状況を確認し、天候が影響している場合は回復を待ちます。問題が続く場合は専門業者に連絡してください。

• エラーコード「121」または「122」（失火）

  ■原因：ガス圧の低下、バーナーの汚れ
  ■対処法：ガス栓を一度閉めて再度開き、リモコンをリセットしてください。繰り返し発生する場合は専門業者による点検が必要です。

3.3 水圧・水漏れ関連のエラー

水圧や水漏れの問題は、給湯器の効率と安全性に影響を与えます。

• エラーコード「43」（暖房水の渇水検出）

  ■原因：暖房回路の水不足、循環ポンプの故障
  ■対処法：給水の状態を確認し、必要に応じてリセットしてください。問題が解決しない場合は専門業者に連絡してください。
  ■エラーコード「173」または「543」（暖房回路漏水検知）
  ■原因：配管の破損、接続部の緩み
  ■対処法：目視で水漏れがないか確認し、専門業者に修理を依頼してください。

3.4 オーバーヒート関連のエラー

オーバーヒートは給湯器の重大な故障につながる可能性があります。

• エラーコード「140」または「141」（給湯器内部の過熱）

  ■原因：熱交換器の目詰まり、サーモスタットの故障
  ■対処法：使用を直ちに中止し、専門業者に修理を依頼してください。

3.5 その他の一般的なエラー

• エラーコード「32」（排水栓締め忘れ・湯張り時間超過）

  ■原因：浴槽の排水栓が開いている、給水圧の低下
  ■対処法：排水栓を確認し、再度湯張りを設定してください。

• エラーコード「290」（ドレン中和器異常）

  ■原因：ドレン水の排水不良、中和器の詰まり
  ■対処法：専門業者に点検と清掃を依頼してください。

4. エラーコード別のトラブルシューティング

エラーコードが表示された場合、以下の手順で対応してください：

1. エラーコードをメモする
2. 取扱説明書でエラーの内容を確認する
3. 簡単な対処法（ガス栓の確認、リセットなど）を試す
4. 問題が解決しない場合は専門業者に連絡する

自己診断と専門業者への依頼の判断基準：

• 安全に関わるエラー（ガス漏れ、異常過熱など）は即座に専門業者に依頼

• 繰り返し発生するエラーは専門業者による点検が必要

• 取扱説明書に記載されている簡単な対処で解決しない場合は専門業者に相談

5. 給湯器の主要部品とエラーの関係

給湯器の主要部品とそれに関連するエラーについて理解することで、より適切な対応が可能になります。

熱交換器に関連するエラー

熱交換器は給湯器の心臓部とも言える重要な部品です。

• 関連エラー：「140」「141」（過熱防止装置作動）

• 症状：お湯の温度が安定しない、熱効率の低下

• 対処法：専門業者による熱交換器の清掃や交換が必要です。

バーナーに関連するエラー

バーナーは燃焼を担当する重要な部品です。

• 関連エラー：「110」「111」（点火不良）、「121」「122」（失火）

• 症状：点火しない、炎が不安定

• 対処法：バーナーの清掃や調整、場合によっては交換が必要です。

フィルターに関連するエラー

フィルターの目詰まりは様々な問題の原因となります。

• 関連エラー：「43」（渇水検出）、「610」（燃焼ファン異常）

• 症状：水の流れが悪い、異音がする

• 対処法：定期的なフィルターの清掃や交換が重要です。

ガス配管に関連するエラー

ガス配管の問題は安全性に直結します。

• 関連エラー：「110」「111」（点火不良）、「12」（燃焼許容時間超過）

• 症状：ガス臭がする、点火しない

• 対処法：ガス漏れが疑われる場合は直ちに使用を中止し、ガス会社に連絡してください。

6. 定期的なメンテナンスによるエラー予防

エラーを予防するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

日常的な点検項目

• 外観の確認：給湯器本体や配管に異常がないか目視で確認

• 異音や異臭のチェック：運転中の異常な音や臭いに注意

• リモコンの表示確認：エラーコードや警告表示がないか確認

専門業者による定期点検の重要性

専門業者による定期点検は、給湯器の安全性と効率を維持するために重要です。一般的に、以下のような点検が行われます：

• 熱交換器の清掃と点検

• バーナーの清掃と調整

• 各種センサーの動作確認

• 安全装置の点検

• ガス漏れ検査

専門業者による点検は、通常1〜2年に1回程度行うことが推奨されています。

フィルター清掃など、自己メンテナンスの方法

ユーザーでも行える簡単なメンテナンス方法があります：

1. フィルターの清掃
   ・給水口のフィルターを定期的に清掃することで、水の流れを良好に保ちます。
   ・手順：給水元栓を閉める → フィルターを取り外す → ブラシで汚れを落とす → 水で洗い流す → 元の位置に取り付ける
2. 外装の清掃
   ・湿った布で外装を拭き、乾いた布で仕上げます。
   ・注意：電気部品に水がかからないよう注意してください。
3. 排気口の確認
   ・排気口周辺に障害物がないか確認し、必要に応じて清掃します。

これらの簡単なメンテナンスを定期的に行うことで、多くのエラーを予防できます。

7. エラーコード対応時の注意点

エラーコードに対応する際は、以下の点に注意してください：

取扱説明書の活用方法

• エラーコードが表示されたら、まず取扱説明書を確認しましょう。

• 取扱説明書には、エラーコードの意味と基本的な対処法が記載されています。

• 説明書を紛失した場合は、メーカーのウェブサイトで電子版を確認できることが多いです。

安全面での注意事項

• ガス漏れが疑われる場合は、絶対に火気を使用せず、窓を開けて換気してください。

• 電気系統のトラブルが疑われる場合は、感電の危険があるため自己判断での修理は避けてください。

• 高温のお湯や蒸気による火傷に注意してください。

専門業者への連絡時に伝えるべき情報

専門業者に連絡する際は、以下の情報を準備しておくと、より迅速で適切な対応が期待できます：

1. 給湯器のメーカー名と型番
2. 表示されているエラーコード
3. エラーが発生した状況（使用中だったか、どのような症状があったかなど）
4. 給湯器の設置年数
5. 最後にメンテナンスを行った時期

これらの情報を事前に用意しておくことで、電話での相談や修理の手配がスムーズに進みます。

8. よくある質問(FAQ)

Q1: エラーコードが頻繁に表示される場合の対処法は？
A1: 頻繁にエラーコードが表示される場合は、給湯器に何らかの慢性的な問題がある可能性があります。この場合、専門業者による総合的な点検と診断が必要です。一時的な対処ではなく、根本的な原因を特定し解決することが重要です。

Q2: 修理費用の目安は?
A2: 修理費用は問題の種類や部品の交換の必要性によって大きく異なります。簡単な調整や清掃であれば数千円程度で済むこともありますが、主要部品の交換が必要な場合は数万円から10万円以上かかることもあります。正確な費用は、専門業者による診断後に見積もりを取ることをおすすめします。

Q3: 給湯器の寿命とエラーの関係は?
A3: 給湯器の一般的な寿命は10〜15年程度です。使用年数が増えるにつれて、部品の劣化や摩耗が進み、エラーの発生頻度が高くなる傾向があります。特に設置後10年を過ぎたあたりから、メンテナンスの頻度を上げたり、交換を検討したりする必要があります。

給湯器のお悩み、クラシフにお任せください！