コラム

介護リフォーム最大の難関!?浴室はどう改装すべきか?

突然ですが、筆者は80代後半の祖母と暮らしています。

いわゆる要介護者にあたるわけですが、祖母のために自宅のあちこちには手すりを設置していますし、段差に関しても極力配慮した導線を意識しています。

さて、その祖母の入浴に関しての話なのですが、現在デイサービスの職員さんにも協力してもらっている状況です。

ただし足腰が弱くなった高齢者の場合、浴室に連れていき、そこから浴槽に入ってもらうだけでも結構な体力を使うもの。

冬場は寒いし、夏は介添えをしている側も汗だくになってしまいます。

この負担を少しでも削減するために、できれば浴室を要介護者の利用を考慮した抜本的なリノベーションの対象としたいところです。

そこで今回は、介護を前提としたお風呂場のリフォームについて考えていきましょう。

果たして要介護者のための浴室の改装はどういったポイントに絞って検討すべきなのか。

ここに焦点を絞った話を展開していきたいと思いますので、環境的に該当しているという方はぜひ最後までご覧いただけますとさいわいです。

介護のための浴室改装の理想形とは

まず初めに、要介護者がいるという世帯における、浴室のリフォームの理想形についての話をしていきましょう。

通常、浴室リフォームに関しては「ここをこうしてほしい」という理想を挙げていくとキリがなくなって、改装費用も青天井になってしまうために、消去法で「最低限この機能は欲しい」という考え方をもって捉える方は多いかと思うのですが、介護前提の改装となると、多少わがままになってもいいのかもしれません。

日々の入浴介助がいつまで続くかも分からないわけですから、削減できる苦労は、やっぱり削減すべきでしょう。

たとえば最近では、浴槽に手すりを設置する簡単な改装もよく見受けられるようになっています。たかが手すりではありますが、とっさの事故を防ぐためにも、意外とこの手すりはバカに出来ません。

また、床材を柔らかい素材にしたり、段差を極力廃するなども立派な、介護のためのお風呂場のリノベーションと言えるでしょう。

さらには浴槽を浅く広いタイプに交換するのも事故防止には有効ですし、介添え者が要介護者の身体を持ち上げる際の負担軽減にもなります。

それから、これはそもそも設置されているケースも多いのですが、浴室乾燥機も冬場などに起動しておくと、特に高齢の要介護者の身体を冷えから守る効果があります。

これらの機能の中から、なるべくあると助かる設備を、介護をする立場の視点でピックアップすることが、リフォームに関しては一つの理想になるのではないでしょうか。

要介護者と介護する側の導線を意識した浴室改装のポイントは?

実際に、高齢者の入浴をサポートした人であればすぐに気づくと思うのですが、とにかく足元が不安定な人を裸の状態で怪我なく浴槽に浸からせるだけでも、相当な神経を使います。

ちょっとの躓きが骨折や打撲を招きますし、浴槽の高さ、深さがある場合はなおさら慎重にならなければいけません。これを毎日こなすのは、本当にしんどいものです。

そして何より、その浴槽に至るまでの導線も、なるべく平坦であるほうが好ましいと言えます。

浴室に至るまでも段差がないのが一番ですが、ひとまず浴室内だけのリフォームに絞って話をしますと、お風呂場そのものに段差がないのが一番です。

また、タイルの凹凸もないほうが、足指をひっかけにくくなるので、デザイン性よりも機能性を重視するほうが安心ですね。

前述したように、柔らかくて丈夫な素材でできた浴室の床素材は存在しますし、そういったものを利用するのもいいでしょう。しかもこの手の素材は、水はけがよいものが多いので、要介護者以外が利用してもメリットがあります。

段差がなく、やわらかい床材を用意しさえすれば、後は基本的に浴槽に目を向けるだけでも、だいぶストレスのない入浴介助が可能になるはず。

前項で触れたように、浅く広いタイプのバスタブを設置すれば(可能なら手すりも)、より安全に入浴介助ができることでしょう。

介護リフォームは条件次第で補助金が出るため、活用することが大切!

ちなみに、介護リフォームに関しては補助金を自治体から捻出してもらえる可能性があることをご存じでしょうか。

これは基本的に、居住実態のある自治体のホームページに記載されているもので、高齢者が住んでいる住宅を、その身体状況に合わせた改装をする場合に限っては費用を必要経費として助成するという制度となっています。

条件は自治体によって多少変動するのですが、要支援者、要介護者認定を受けており、前年度の年収が規定以下といった条件をクリアすれば、大抵1つの住宅につき1回限りではあるものの、助成金が支払われることになります。

額面につきましてはこれも多少の変動はあるのですが、20万から30万円ほどの助成がなされる形に。申請しなければ発生しない助成金となりますので、浴室に限らず介護リフォームを検討しているという場合には、こちらを有効活用してみてはいかがでしょうか。

たとえば千葉県を例に挙げますと、県ホームページのサイト内検索フォームに「市町村が行う住宅にかかる各種支援制度について」と入力して「検索」をクリックすると、県内市町村が実施しているこの手のサービス概要と、それぞれの連絡先が表示されます。

お住まいの市町村ごとの窓口に応じて連絡をとることが、これで簡単に可能になるわけですね。

その他の都道府県もこれと同じような方法で費用の補助制度の有無を確認可能になっています。ぜひみなさんの居住する自治体の対応を、今のうちにチェックしておきましょう。

自治体ホームページから該当の記述が確認できないという場合には、役所に直接掛け合ってみるなどして、ぜひ対象者になっていただきたいところです。

転ばぬ先の杖ですし、その杖の購入費用を自治体がある程度捻出する制度というのは、使わないと勿体ないですからね。

いずれ訪れる老いに備えて、身体が動くうちにリノベーションの検討を

ということで、今回は浴室周りの介護リフォームにおける話をしていったところです。

今現在家族の介護をしていないという方は、恐らくあまりイメージしにくいお話になってしまったかと思うのですが、いずれ自分の親世代は加齢に伴って必ず老いていきますし、場合によっては介添えさえあれば自活できるという状態になるケースも考えられます。

この場合、家族を自分で介護しながら一緒に暮らしたいというのであれば、家の内装をリノベーションすることは大事なことになっていきますし、お風呂場のリフォームもやっておくとやはりかなり、手つかずの状態と比較すると気が楽になっていきます。

日々の家事もそうですが、毎日やることって結局、どれだけ時短できるか。どれだけ手を抜けるか。どれだけラクをすることができるかで考えることが大事で、これによって介護を受ける人も、提供する人も、どちらもが助かるんですよね。

浴室の改修費用に関しては自治体ごとに助成金もありますので、これをしっかり利用しながら、業者さんと打ち合わせを密に行い、まずは見積もりを出してもらってはいかがでしょうか?

助成金をフルに浴室リノベーションに注ぎ込むとなると、結構大々的な改装も可能になるでしょうが、最低限ほしい機能にプラスアルファした、より快適な浴室環境を手に入れることができるはずです。